日本では、そろそろ街路樹も色づき、なんとなく物悲しい、もの想う秋でしょうか。こちらは、ラマダンも3週目に突入し、ますますユルユルな毎日。それに暑い!

あつ〜い!雨期だというのに雨が降らないんです。山沿い地方は降り始めたようですが、海沿いのクタ、ヌサドゥア方面は、まったく降りません。土日と二日間もゴルフやったら、死ぬかと思いました。でも、終わったあとのビンタン ビールがおいしいんですよね。って、これがスローライフの醍醐味。

で、今回のテーマは、日本女性がバリ人(バリ在住ジャワ人も含む)にハマるわけ。実はなんと、その根底には、この「スローライフの魅力」があったんです。渋谷のジゴロのみなさん、および、日本でモテないとヒガんでる方、よくお聞きく ださい。あ、性差別だと言われると困るので、日本男性もバリ島およびバリ人(バリ在住ジャワ人も含む)にけっこうハマってる人多いです。って私?

たとえばですね、恋に疲れ、仕事に疲れ、職場の人間関係に疲れた一人旅のOLが、クタビーチの青い空と白い雲、そして寄せては返す美しい波を、ぼんやり 眺めているわけですよ。そこに日焼けしたたくましいローカル青年がやってくるわけです。「何やってるの? どこから来たの?」と、かける言葉は普通です が、「たどたどしい日本語」というところがポイントです。正しいジゴロに語学力は必須条件ですが、豊富なボキャブラリーは必要ありません。ストレートな会話がいいんです!「好き!」「きれい!」「かわいい!」。この直球勝負が、彼女にはけっこう新鮮だったりするんです。「けっこう好きかも」「かなり好きくない?」「まあ まあ好き、みたいな?」といった、日本語特有のあいまいな表現、婉曲な言い回しには、もう、うんざりです。

さらに、ビーチというシチュエーションが、Tシャツに短パンという風体をかっこよく見せてくれます(ほんとうは、それしか持っていない)。さらにサー フィンができるような大波の中にあってはワイルドなパワーこそが、ほんとうに頼りになります。いきなり目の前でヤシの実なんかをぶち割って差し出してくる無骨さがいいんです(自分は不器用っすから)。サロンという腰巻きだって、こっちでやってる分には超かっこいいんです!

はっきり申しあげておきますが、彼女たちは、やりたくて来ているわけではありません。恋に疲れ、仕事に疲れ、職場の人間関係に疲れて来てるんです(人生 に疲れてる場合もありますけど)。「ぼくはフリーのガイドなんだけど、あくせく小さなお金を稼ぐより、こうしてビーチで海を眺めている方が好きなのさ」ぬぁ〜んて言われるとクラクラ来 ちゃいます。まさにスローライフの極みといえるでしょう。「フリーのガイド」という表現も受け入れやすくポイント高いです。日本においては超ダサイ海辺 のギター侍もここではサマになってしまうから不思議です。そして、なにしろ「フリーのガイド」ですから、いろんなとこにも案内してくれます。「ちょっとここで待ってて」っていえば、いつまででも待っててくれま す。「フリーのガイド」ですから。「また明日3時に」って約束すれば、朝から待っててくれます。「フリーのガイド」ですから。

って、結局、この根底にあ るのはスローライフだからできることなんですね。でも、けっこう誠実じゃんとか勘違いして、すっかり友達になったり、恋に落ちゃうんですが、「フリーの ガイド」ですから、ついついお礼も払っちゃったりもします。で、ここからが国民性の違いというか、文化の違いでありまして、こちらの方々は「借金」することを恥とは思っておりません。イスラムの精神でも、ヒンズーの精神でも、お金持ちがお金のない方々を援助するのは当たり前の行為であり、それをしないのはケチ以外何者でもありません。海辺の日本人に限らず、こちらでビジネスをしている日本人の方は、必ず従業員から借金を申し込まれた経験があるはずです。ダメ元っていうんでしょうか、 こっちの人は、とにかく何でもかんでも要求してきます。日本人の感覚では、消費者金融にも「無人クン」があるように、借金を申し込む事自体が恥ずかしい。でも、彼らに恥ずかしさはありません。そして、日本人的感覚ですと、恥ずべき借金を申し込むくらいだから、よほど困っているのだろう。それに金額も たいしたことないし、ま、いいか!みたいになっちゃうんですね。

確かに、こちらの人の感覚からすると、困っていないことはありません(日本語特有のあいまい表現)。親兄弟が病気だ、弟妹の学費が必要、うちのカデっち なんか、お兄さんのバイクのローンを払うから給料前借りしたいと言ってきました。こちらでは子供が親のめんどうをみるのが当たり前。兄弟、親戚が困って いて、お金に余裕があれば助けるのは当たり前だのクラッカー。なにしろ、社会福祉が発展途上ですから。あらエライわねぇ〜、たいへんねぇ〜って、日本 だって、結局、子供が親のめんどうをみてるんですよ。税金という名前で、一旦政府に預けますけど、それが還元されてくるわけです。こちらでは、政府を経 由せず直接親兄弟親戚にいくわけです。よほどタチの悪いジゴロでない限り、日本のお友達から「借金」して遊興費に使うことはありません(遊び場ないしぃ〜、あやしいギャンブルやってるのは正 しいお金持ちだしぃ)。親兄弟のめんどうをみ、仲間たちにお金のない人がいたら、ご飯を食べさせ、と、けっこういい人が多いよ(って、うちのトモミが 言っておりました)。

え?クルマをおねだりされた?そりゃだって「フリーのガイド」ですから、クルマあった方がいいでしょう。バイク、携帯電話は生活必 需品ですしぃ。ま、ギターのおねだりもバンドやってるとか言われたらねぇ.....。というわけで、日本のお友達へのおねだりは普通です。別に日本人が考えるように、一家心中みたいな深刻な状況ではありませんので、1万円もあげた日にゃ あ、万々歳ですから。給料を払う立場にあるなら、給料から天引きという方法で、貸金を回収できますが、それ以外はかなり難しいでしょう。「フリーのガイド」の中にはコレクトコールで日本へ電話してくるヤツもいますので、オレオレ詐欺にも十分注意してくださいね。そして何より「フリーのガイド」ですから、ほかにもお客さんがたくさんいるわけです。ここで二マタ三つマタ事件へと発展するわけですが、それはまぁ、 しょうがないっしょ、商売っすから。

実は奥さん子供がいたという不倫事件へ発展する場合もありますが、妻子もちの正しいホテルの従業員なども、日本人へ はどんどん声をかけてきます。それは、日本人と浮気をした方が、奥さんにバレにくいんだそうです。ローカル同士だと、すぐウワサになっちゃいますから ね、賢い選択です。そして、あの強力なダメ元精神ですね。それだけの情熱があるんなら、もっと仕事しろよ!と言いたくなりますが、スローライフですか ら、そこがいいんです。で、逆説的に言えば、たくさんの顧客をかかえた「フリーのガイド」さんは、とっても仕事熱心ということになります。で、幸か不幸か、めでたく結ばれたアカツキには、バリに住むにしろ、日本にお持ち帰りするにしろ、もれなくスローライフがついてくるんですね。だって 「あくせく小さなお金を稼ぐより、こうしてビーチで海を眺めている方が好きなんだも〜ん」。あ、それから貧弱なボキャブラリーの日本語もついてきますか ら、ストレートな表現しか出来なくて、深い話はできません。それでも、スローライフ、みんなでやれば怖くない!スローライフでハッスル!ハッスル!(は、ないか?)バリ島の治安は抜群。いきなり銃やナイフは出てきませんし、拉致されて売り飛ばされたり、人質にされたり姦わされちゃったりすることはありません(麻薬 だけはやらないよ〜に!)。

そして、どことなくノスタルジックでユニークなバリ文化。価格的にもお手頃。サーフィン好き、ダイビング好き、バリアート好 き、バリ舞踊好き、ひと好きずきと、いろいろ言い訳もできます。渋谷にしますか?バリにしますか?あ、先週の問題の答え、来週にします。スローライフですから。

2004年11月2日発
これが目に見える文化の違い。むかし香港に行った時も高層ビルの建築現場で竹の足場を使ってたのにも驚きましたが、こっちでは壁から足場を支える棒が出 てます。この穴はいちおう修復されますが、完成後もアトが残ってる場合が多いです。

ビンタンさんに質問したい」とのメール多数頂きました。(私もバリに住みたい!とか、穴場のエステはとか、ビーチで知り合った○○君に連絡がつかなくなった…とか、バリウォーカーに広告出したいとか)ご質問のある方はナカヤの問い合わせフォームからどうぞ。ただし、バリ時間なので回答は気長にお待ちを…(by NAKAYA)

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