| バリのアートは、古くからインド、中国、ジャワからの宗教的影響を受けてきました。絵描きや工芸職人達は僧侶や貴族をパトロンとして宮殿や寺院の装飾の仕事に携わって暮らし、その作品は、伝説、バリ王朝史からの題材で制作され、様式美と宗教的ルールに基づいていました。バリの古典的な絵画の多くは、主題の多くをヒンドゥーの叙事詩から取ったもので、東ジャワに古くから伝わる影絵芝居「ワヤン」が基になっています。(カマサンスタイルまたはワヤンスタイルと呼ばれる)ところが20世紀初頭にヨーロッパのアーティスト、ドイツ人画家ウォルター・スピースやオランダ人画家ルドルフ・ボネがバリを訪れ、その影響を受けたバリのアーティストが個々のスタイルを追求し始め、現在のようなバリ絵画の様々な様式が生まれました。 代表的なバリ絵画の様式 プンゴセカンスタイル ウブド郊外のプンゴセカン村では、1960〜70年代に鳥や昆虫、蝶や植物など自然界のもののみをモチーフにした新しい絵画のスタイルが興った。ウブドスタイルに比較して写実的傾向が強い。日本の花鳥風月を思わせる親しみ易い画風で、意外にも日本の家屋に違和感なく溶け込む。 ウブドスタイル バリで最も表現主義的で、遠近法や日常生活をモチーフにする等、西洋の影響が強いが詳細へのこだわりや極端な様式化など古典的な特徴もまだかなり残っている。 バトゥアンスタイル 古典的な画法がベースだが、バリ人の生活の様々な場面が複雑に入り組んだ構図で描かれている。神秘的な自然界の力を表現したり、観光客やサーファーまでもモチーフとして取込むなど、幅広い題材をキャンバス上に隙間なく描きこんでいる。 クリキスタイル ほとんどが20×15cm以下のサイズで神話やラマヤナ物語のシーンが暗い色調で描かれている。画風はバトゥアンスタイルに似ている。 ヤングアーティストスタイル 1960年代はじめオランダ人画家アーリースミットがプネスタナン村にすみはじめ、村の少年達に絵の具と筆を与え、自由に絵を描かせた事が起源と言われる。これまでの絵画と違って、はっきりした輪郭線や鮮やかな色使いなどが特徴で「ヤングアーティストスタイル」と呼ばれている。そのころのヤングも既に50代以上であるが、バリ風「ポップアート」とも言えるこのスタイルは、日本のマンションの室内やパソコンだらけの事務所内でも、あるいはストリートスタイルのカフェでも違和感なく溶け込み、且つ見る者に幸福感を与える。 |
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